はじめに:動画編集はもはや特別なスキルではない
スマートフォンとSNSの普及により、動画制作はかつてのようなプロだけの領域ではなくなりました。YouTube、TikTok、Instagram Reelsといったショート動画プラットフォームの影響で、誰もが「発信者」になれる時代が到来しています。
本記事では、海外と日本の動画編集ソフトのトレンドを比較し、一般ユーザーのスキルレベル、動画編集業界の構造と商機、そして動画編集会社の役割について詳しく解説します。
第1章:海外で人気の動画編集ソフトとは?
まずは、海外市場で支持されている代表的な動画編集ソフトを紹介します。
1. Adobe Premiere Pro(アドビ プレミアプロ)
• 用途:プロフェッショナル/YouTuber
• 特徴:業界標準。After Effectsとの連携も強力
• 価格:月額22.99ドル
2. Final Cut Pro
• 用途:Macクリエイター層
• 特徴:高速レンダリングと直感的操作
• 価格:約399ドル(買い切り)
3. DaVinci Resolve
• 用途:映像カラー補正/映画編集/教育現場
• 特徴:無料版の性能が高く、プロも多数利用
• 価格:無料/有料版299ドル
4. CapCut
• 用途:TikTokやSNS動画編集
• 特徴:無料、テンプレ豊富、スマホで完結
• 価格:無料(一部課金)
CapCutのようなスマホアプリは、海外Z世代を中心に爆発的な人気を誇ります。
第2章:日本国内の主流ソフトとユーザー傾向
日本でも上記ソフトは一部利用されていますが、傾向には違いがあります。
ソフト名 | 主なユーザー層 | 特徴 |
---|---|---|
iMovie | 一般ユーザー/初心者 | Mac/iPhone標準、簡単操作 |
Adobe Premiere Pro | プロ/YouTuber | テレビ・企業現場でも定番 |
Filmora | 初心者〜中級者 | テンプレ多、買い切りで安価 |
AviUtl | 無料ユーザー | 高機能だが上級者向け |
国内では「簡単・安価・スマホ完結」な編集スタイルが主流であり、Premiere Proのような高機能ソフトは限られた層にとどまっています。
第3章:一般ユーザーの編集レベル:海外 vs 日本
海外:動画リテラシーが高く、日常的に編集
アメリカや韓国では学生や会社員でも日常的に動画を編集・共有する文化が浸透しています。CapCutやInShotなどのモバイルアプリを活用し、自然な演出やBGMの選び方にセンスを感じさせるユーザーが多いのが特徴です。
背景には、学校教育でのメディアリテラシー教育の充実があります。アメリカの高校や大学では、プレゼンテーション課題に動画制作が含まれることも一般的です。
日本:視聴者志向が強く、制作者は一部に限定
日本ではSNSやYouTubeの視聴は活発ですが、動画を編集して投稿する側の人口は海外より少なめ。特に30代以降では「編集は難しそう」という印象が強く、参入障壁となっています。
ただし、Z世代を中心にCapCutやVLLOなどテンプレ型編集アプリの使用が拡大中で、「副業編集者」を目指す層が着実に増えています。
第4章:動画編集は商売になるのか?業界の実情と将来性
✔ 需要の広がり
以下のような分野で動画編集の外注ニーズは拡大しています:
• YouTubeチャンネルの運営代行
• Instagram/TikTok用ショート広告動画
• 企業の採用/IR動画
• eラーニング/オンライン講義の編集
クラウドワークスやランサーズなどのプラットフォームでも、動画編集案件の募集数は2020年から2024年で約3.5倍に増加しています。
✔ 競争激化と単価低下の現実
一方で、参入者が増えたことで価格競争も激化。1本あたり500円〜2000円程度の案件が多く、「編集するだけ」では収入が安定しにくいのが現状です。
第5章:動画編集会社の役割と市場動向
こうした流れの中で、個人ではなく企業として活動する動画編集会社にも注目が集まっています。
▶ どんなサービスを提供しているのか?
動画編集会社は以下のような幅広いサービスを展開しています。
• YouTubeチャンネル運用代行:撮影・構成・編集・サムネイル制作まで一貫対応
• 企業VP(ビデオパッケージ)制作:会社紹介・採用動画・研修用映像
• 広告動画:Instagram/TikTok用の15秒広告、ランディングページ用動画など
• セミナー・講義編集:Zoom収録動画の整音、カット、字幕付け
編集だけでなく、構成提案やマーケティング戦略のアドバイスまで担う企業も増えており、単なる“下請け”ではなく、動画活用のパートナー企業としての立ち位置を確立しています。
地方の中小企業やフリーランスチームも含め、全国で数百社規模の動画編集業者が存在します。
▶ 市場規模と成長性
矢野経済研究所の調査によれば、日本国内の動画制作・編集市場は2024年時点で約2,000億円超と推定されており、今後も年率5〜10%で成長する見込みです。背景には、企業のデジタルシフトや動画マーケティングの定着があります。
第6章:差別化がカギ:求められるのは編集+αの力
動画編集を“仕事”にする上で、単なる編集スキルだけでは不十分になりつつあります。今後求められるのは以下のような力です:
• 企画・構成のスキル
• SNSトレンドへの感度
• AIツール(音声認識、字幕自動化など)の活用
• 広告効果を高める動画構成力
編集単価が下がる中、価値の高い提案型人材や総合的な制作会社が選ばれる時代に突入しています。
コメント欄は、単なる感想の集積ではなく「コミュニティ形成」の場でもあります。動画内で「あなたの考えを教えてください」「どちらの案が良いと思いますか?」などの問いかけを入れることで、視聴者の参加意識を高められます。
さらに、投稿者側がコメントに丁寧に返信することで、ロイヤリティが向上し、再視聴・登録につながります。コメントが多く集まる動画はアルゴリズム評価も高まるため、動画内で積極的にコメントを呼びかけましょう。
まとめ:動画編集は商売になるが、進化が必要
動画編集は、海外でも日本でも「誰もが使えるツール」になりつつあります。CapCutなどの登場で、編集のハードルは大きく下がりました。しかし同時に、「誰でもできる」ようになったからこそ、差別化された編集力・提案力・戦略性がますます求められるようになっています。
動画編集会社は、単なる技術集団ではなく、企業や個人にとっての「映像戦略パートナー」として進化しつつあります。これから動画編集を学ぶ方、仕事にしたい方は、「編集のその先」にあるスキルや視点を身につけていくことが、安定収入と成長へのカギになるでしょう。
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