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日本と海外のSNS動画プラットフォーム市場を徹底比較:数字と戦略から読み解くユーザー行動の違い

はじめに:SNSの次なる主戦場は「動画+特化型」
SNSの進化は常にユーザーの行動と価値観を反映してきました。2025年の今、その最前線に立っているのが「動画SNS」です。YouTube、TikTok、Instagram Reelsといったメジャープラットフォームが牽引する一方で、より特定の目的や体験に特化した動画SNSが世界中で急成長を遂げています。

たとえば、収益化に悩むクリエイターを救うSNS、子どもの安全性を最優先にしたSNS、地方ユーザーに最適化されたUIのSNSなどが次々に登場し、それぞれのニーズに応える存在になっています。

この記事では、特に海外で勢いのある「新興の動画SNS」5つを取り上げ、それぞれの特徴や強み、ユーザー動向まで掘り下げて解説していきます。

1. Clash(クラッシュ)|クリエイター中心の経済圏

旧Vineの精神を受け継ぐ新星

Clashは、かつて人気を博した6秒動画SNS「Vine」の元クリエイターが開発したプラットフォームです。TikTokに象徴される現在の動画SNSが“アルゴリズム依存”である一方、Clashは「熱量の高いファンとクリエイターの直接的なつながり」に価値を置いています。

収益化の仕組みがユニーク

ユーザーは「Drops」というチップを動画投稿者に送ることができ、これがクリエイターの収益になります。YouTubeのスーパーチャットやPatreonに近い仕組みですが、動画視聴中に自然にチップを送る体験設計が優れており、支持を集めています。

主なユーザー層

米国やカナダの若手インフルエンサー、小規模ながら熱狂的なファン層を持つアーティストやコメディアンなどが中心です。TikTokで埋もれていた才能がここで輝くケースも増えています。

2. Zigazoo(ジガズー)|子ども向けの安全なSNS体験

教育機関も注目するチャレンジ型SNS

Zigazooは13歳以下の子ども向けに設計された、教育とクリエイティビティの両立を目指す動画SNSです。投稿はすべて「チャレンジ形式」で、たとえば「好きな本を紹介しよう」「地球にやさしいアイデアを話してみよう」といった問いに対して、自分の言葉で答えるスタイルです。

安全性と保護者管理の徹底

最大の特徴は「安全性」。AIと人による二重のコンテンツチェックが行われており、暴力的・性的・差別的な表現は即時削除されます。さらに、親がすべての活動を管理できるダッシュボード機能も備えています。

教育分野との連携も強化

2024年からは米国の一部学校で正式導入され、「動画で自己表現を学ぶ授業」として利用される事例が増加。2025年には、NFTや仮想通貨を活用した“学習成果の可視化”にも着手し、Web3型教育ツールとしての期待も高まっています。

3. Chingari(チンガリ)|インド発、ローカル革命の旗手

TikTok禁止の空白を埋めた急成長アプリ

TikTokがインドで禁止された直後に急浮上したChingariは、インド国内で1億以上のダウンロードを達成。現在では東南アジア、アフリカ、中東とグローバルに拡大中です。

Web3型の報酬システム

特徴的なのは、視聴や投稿に応じて「GARIトークン」が得られるエコノミーモデル。仮想通貨によってクリエイター報酬を分配するため、広告に依存せず、ユーザーのエンゲージメントがそのまま価値に変換されます。

地方ユーザー向けの工夫

インドでは都市と地方で言語も文化も大きく異なります。Chingariはそれに対応し、30以上の言語にローカライズされたUIと音声認識機能を搭載。結果的に、都市部のインフルエンサーだけでなく、農村部の一般ユーザーにも浸透しました。

4. Firework(ファイアワーク)|B2B向け動画SNSの新形態

企業向けの“ブランドSNS”を構築

Fireworkは一般ユーザー向けではなく、企業が自社ブランド向けに動画SNSを構築できるB2B型プラットフォーム。WalmartやAlbertsonsなどの大手小売業者が導入しています。

ECと動画の融合が強み

企業はFireworkを通じてライブ配信、ショート動画、ショッピング機能を自社アプリ内に統合可能。消費者にとっては「動画で商品を知り、そのまま購入」というシームレスな体験が可能となります。

導入効果も実証済み

ある食品系D2Cブランドでは、Firework導入後のコンバージョン率が20%向上。今後は日本や韓国の企業でも導入が検討されており、マーケティングDXの鍵を握る存在として注目されています。

5. Yubo(ユーボ)|Z世代の“ありのまま”を支えるSNS

数値競争からの脱却

Yuboはフランス発のSNSで、Z世代が抱える「SNS疲れ」に対する解毒剤的な存在として支持を集めています。“いいね”やフォロワー数を廃止し、「リアルなつながり」にフォーカス。

ライブ配信とマッチング

基本はライブ配信型で、スワイプによる友達探し機能もあり、インスタやTikTokとは全く違うSNS体験を提供しています。しかも恋愛目的ではなく、趣味や学業などの共通項をベースに友達ができる仕組みです。

安全設計にも抜かりなし

未成年向けのAIモデレーションが搭載されており、不適切発言やコンテンツは即警告・削除されます。欧州全域では学校とも連携したオンライン教育プロジェクトも進行中で、Z世代向けの健全なSNS文化を牽引しています。

おわりに:これからのSNSは「深く」「小さく」「つながる」

今回紹介した5つのSNSは、いずれも“巨大で万能”な存在ではありません。むしろ、ユーザーの「小さな本音」や「ニッチなニーズ」に深く応えるサービスです。

• Clash:個人クリエイターが主役の直接経済圏

• Zigazoo:子どもたちが安心して楽しめるSNS

• Chingari:ローカル×ブロックチェーンで再構築

• Firework:動画がビジネスのコアになる時代

• Yubo:つながりを最優先する“人間中心”SNS

動画SNS市場は今後、「AI」「メタバース」「分散型」といった要素も加わり、さらに複雑かつ多様になっていくでしょう。しかし、その中でも共通して言えるのは、「より人間的で、誠実なコミュニケーション」が求められているということです。


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